経営改善のポイント~第9ステップ
売上の新しい柱の作り方

このステップでは、
新規事業や新規商品開発の発見・発案方法
について学びます。

 前ステップまでは、売上アップの方法に触れてきませんでしたが、売上をアップする方法がないのかと言えば答えは「NO」です。簡単ではありませんが、いくらでもあります。
 ただし、即効策はないと思ってください。そして、あなたの会社が過去の成功体験と同じ売り方をしている限り、売上が伸びることは永久にないと考えてください。

 みなさんはダーウィンの新化論をご存知ですか?

 環境の変化に対して生き残れるのは、けっして力のある生き物でなく、大きい生き物でもなく、賢い生き物でもありません。

 変化に対応できる生き物だけが生き残れるのです。

企業と事業の違い

 長期間優良企業として維持している「企業」は、いくつかの「事業」を持っています。そして、その「事業」は常に変化をし続けています。
 20世紀には、ひとつの「事業」の寿命は30年くらいだと言われていましたので、経営者はその事業だけで一代の「企業」を維持していくことができました。
 しかし、21世紀に入ると、ひとつの「事業」の寿命は強力なコアコンがない限り、せいぜい10年程度になってきたようです。つまり、「事業」が常に変化し続けなければ、「企業」の命はなくなるという意味です。
 「大黒柱に車をつけよ」という名言がありますが、会社の大黒柱である事業は、常に変化し続けなければならないのです。

 そのため「経営改善プログラム講座」では、「売上の新しい柱の作り方」=新規事業や新規商品開発の発見・発案方法についても取り組みます。

他社と同じ価値観で競争してはいけない

 自社の商品・サービスが売れなくなった理由を、「競合店が増えたから」「価格競争が厳しいから」とは言わないでください。それは、自己を正当化するための言い訳にしか過ぎません。心理学で言うところの「合理化」です。
※合理化:自分の判断や決定が誤りだったとわかったとき、それを認めようとはせず、なんらかの口実や理屈をつけようとすること。自分の立場や行動を正当化することで自分の価値を保持しようとする。

 大企業や大手チェーンストアとの比較なども、今すぐ止めてください。21世紀の世の中に必要とされる会社になるためには、売上高の大小よりも顧客の支持率(結果として営業利益率に現れる)を重要視しなければなりません。
 たとえば、同業種の大型店があれもこれも置いているからといって同じ品揃えにすれば、小型店であるあなたの店は大型店のミニチュア版になってしまいます。同じ価値観で勝負をすれば、顧客は広くて快適な大型店を選び、あなたの店を選んではくれません。また、短絡的な価格競争に持ち込めば、「しくみ」を持たないあなたの会社の利益は吹き飛んでしまうでしょう。

 安く売って売上を上げるのは一番簡単なことです。しかし、安く売って儲けるのは非常に難しいことなのです。規模の小さな会社にとって、「安く売って儲けるしくみ」を作るのは極めて難しいからです。

 したがって、みなさんがなすべきことは、新しいモノを提供することです。
 さまざまな商品・サービスがあふれている現在、【顧客は常に新しいモノ(商品・技術・サービス・情報)を求めている】のです。

 顧客のニーズは常に変化し続けています。あなたの会社が20世紀と同じモノを販売していたのでは、どんなに金融対策や経費対策をやろうとも世の中から消えていくのは自然の理です。

購買心理による「売れる」意味

 それでは、どうしたら新しいモノを提供することができるのでしょうか?

 答えは、【人はなぜモノを買うのか】を理解することにあります。

「商い」の発祥をひも解けば、「不便の解消」が最初だということがわかります。
 農耕民族がタンパク源を得るために穀物を狩猟民族と肉や魚に交換していたのが非常に不便なため、それを仲介するモノが生まれました。どんなに時代が進もうとも、いや逆に、進めば進むほど顧客の不便が新たに発生します。これを発見して解消するモノを提供すれば、顧客のほうから「売ってください」と言われるようになるのです。

「商いの原点」とは

 不便を解消すること。もっと正確に言うと、“モノを買うという行動はモノそのものに価値があるのではなく、そのモノが生み出す【コト】に価値がある”ということです。たとえば、最近の車のコマーシャルを見てください。車そのものの馬力や燃費については訴えていません。訴えているのは、「この車を買うとあなたの生活はこんなシーンになる」ということです。

小さな会社に求められる対策

 井上経営研究所に相談される小規模企業は、販促などにこれ以上経費をかけられないし、ましてや新規に投資する資金なんてあるはずがありません。しかしながら、ないないづくしのあなたの会社が利益を伴った売上を上げる方法は、「がんばる」ことではないのです。
 「商いの本質」「購買の心理“人はなぜモノを買うのか”」を理解し、そのために「道具」をどううまく使えばいいか、「脳みそに汗をかく」ことなのです。

 考えることは、新規事業創出のために最も重要な行動の一つです。あなたの会社がお客様にどんな【コト】を提供しているのか熟考してみましょう。そして、失敗しても何度も新たな試みに挑戦してください。即効性はありませんが、そうしなければ未来は開けません。

 新規事業対策のヒントは、『実務テキスト』で細かく紹介し、必要な『ワークシート』も用意しています。「脳みそにいっぱい汗をかいて」、これだと思われたことをあなた自身で研究・実験してください。そうして生まれた事業こそが、将来につながるはずです。

テキスト無料閲覧
このボタンをクリックすると、もっと詳しい改善策(実務テキストの中身)を無料で閲覧できます。貴社の経営改善にぜひお役立てください。